改善のためにやってみたこと・やめたこと
やってよかったこと
学校を休ませる
吐き気が止まらなくなり、休ませても良くならない程消耗してしまった為、思い切って無期限で休ませました。
学校に行かなくなっても、吐き気などの症状はすぐには治りませんでした。ただ、学校を休ませる事によって子供と向き合う時間ができ、じっくり観察することができるので、今がどの段階なのか、どのように働きかけたらよいかがはっきりとわかりますし、子供も、不安や罪悪感から解放されるので消耗が少なくなり、次のステップに進むための気力を充電するこどができます。
不登校になる前の五月雨登校の場合も同じで、登校できない日は思い切って休ませてしまった方が、いつでも休めるのだから今日はがんばろうという気持ちになるのか、続けて休むことがなくなります。頑張って行かせて途中でブレーキになるより、休みたいときに休ませながらマイペースに卒業までつなぐ方が、中学校、高校あるいはその先の進路へのハードルは低いように思います。
ゲーム、テレビ、動画、漫画など制限しない
教育によろしくないと思われがちなゲームをはじめとする楽しいメディアコンテンツですが、エネルギーの切れかかった不登校引きこもりの子供達にとっては大事な心のエネルギー源です。取りあげてはいけません。これまで多くのエネルギーを消耗してきたので、今はこれくらいのものにしか興味が持てないほどに、エネルギーがなくなってしまっている状態なのです。
私は、子供が唯一興味を持つ事ができ手に取れているのですから、思い切りやらせました。ゲームや動画、漫画雑誌、テレビビデオ、全てにのめり込み昼夜逆転に近い状態にもなりましたが、高校生になってからは、勉強や生徒会、クラブ活動にアルバイトに忙しく、ゲームやテレビの時間が減りました。
気が済むまで取り組めばエネルギーが満たされ、次のステップに進んだ時にゲーム以外に大事なものがあることに気づき、そちらを優先するように自己コントロールができるようになります。
またゲームや動画が好きな子供は、外に出て具合が悪くなってもゲームに触れると治るようです。持っていれば本人は安心できるのですから、世間体を気にせず持たせていても良いのではないでしょうか。子供の大事な世界観を親のエゴで取り上げてはいけないと思います。
家を安全な場所とし、しなくてもよい外出はなるべくしない
不登校ひきこもりになると、なんとか外の世界に触れさせようとしたくなります。慣れれば大丈夫になるという思いがあるからです。
でもそれは、外に出ても大丈夫な自分の考え方であるということを忘れてはいけないと思います。
外の世界を嫌う=エネルギーが低い状態=弱っている
なのです。体が動きません。
私も、最初の頃は気分転換にと思いあちこち連れ回してしまいましたが、子供にとってはかなり負担だったようです。
祖父母の家も、特別な時以外はなるべく連れて行かないようにしました。
消耗は良くありません。今のお子さんの状態が、自分が思うより何十倍も消耗しやすい状態なのだということを受け入れ、安心させてあげてください。
逆に、行きたいと言い出した所にはできる限り連れ出してあげるといいと思います。良い成功体験になります。
話しかけをやめて放置
最低限の会話は必要だとは思いますが(なかったとしても親の働きかけ次第で改善できます)
愛情が足りなかったのでは?声掛けが足りなかったのでは?と思い、むやみやたらに話しかけたくなり鬱陶しい親になってしまう事は多いと思うのですが、うるさい会話は耳障りになり思いが届きにくく、溝が深まり改善の妨げになってしまう事もあるようです。
放置し様子を見た方がいいのは、自室や自分の世界に閉じこもって関わってこない、または見える所にいてもメディアコンテンツに没頭している場合です。
多分親子関係が良好で問題がない家庭にとっては普通で、当たり前だと思われるかもしれません。ですが、問題が起きてしまうと途端に不安に駆られ、なんとか関係を修復しようとあれこれ干渉したくなってしまうのです。
会話はもちろん大事ですが、こちらが話すのではなく、話しかけてきたときにきちんと応える事が大事です。一所懸命メディアに没頭してストレス解消を図ってエネルギーチャージをしている最中なのに、興味を持てない話をされて中断されてウンザリ、、という事は誰でも多少感じる事とは思いますが、引きこもっている状態の人にはもっと重要で切実なのです。消耗しやすくエネルギーが少なければ、それだけチャージに時間が必要なのですから。
また、こちらから話しかけて干渉しすぎてしまうと、自分で考えることをしなくなります。何かに困って初めて、考えて行動することを覚え、自立に向かう訳ですから、用事がなく、困ってもおらず話しかけてこないときは、会話がないとヤキモキする代わりに自分の事に集中する時だと肝に銘じてください。
逆に、常に話しかけてくる時は、短くピシャっと言って長引かない用に話を閉じて諦めさせる方法もあるようですが、私はできる限り応えてあげた方が自立が早い気がします。話したいのだから話させてあげて、たくさん話を聞いてあげたら早く気が済み安定します。
子供のゲームの話をよく聞く
上の話と一緒で、ゲームの話しかしない時期がある期間続く場合があります。親はゲーム以外にも興味を持ってほしいと願うのですが、残念ながら今は自分の世界がゲームの世界なので、諦めてうんうんと聞いてあげたらいいです、親に話をしてくるのは信用されている証拠です。
興味がないからと遮ってしまうと、自分の世界観を否定されたと感じ、話をしてくれなくなります。外の世界と繋がれている普通の状態であれば、親との会話が多少減っても大した事のない普通の事と捉えても問題ないのでしょうが、不登校の時は普通ではない状態ですから、子供の話はどんなに現実的でないとか年齢にそぐわない話題であっても、きちんと聞き反応するようにしました。
自分もゲームをやる
親も子供のしているゲームにチャレンジするのも、共通の話題ができるので良かったです。わからないことを聞けば、喜んで話してくれると思います。
忙しいのに面倒なことかもしれませんが、期間限定、一時の事です。
そのうちにあまり話してくれなくなり、親からもゲームの話題からも卒業して寂しく感じる時がくるはずです。
無理強いしない、無理そうならすぐやめる
無理強いして良いことは一つもありません。もちろん登校もです。
首に縄をつけても連れて行った方がいいとアドバイスを受けることもあると思いますが、段階が違います。
頑なに拒否している、体に反応が出ている、泣いてしまう、そのようなときは絶対に無理をさせるべきではありません。今できていなくてもいつか必ず、遅くても数年先にはできるようになり大丈夫なので、あっさり速やかにこちらから折れましょう。
子供を親の思いに従わせるのは躾ではなくて、エゴです。
厳しいかもしれませんが、普通の状態で無い時ほど忘れてしまうので書きました。
最低限の学習
家庭学習は基本1ページだけと決めた方が良いように思いました。学習時間は本人に決めさせ、スケジュールに組み込みます。
出来ない日があっても大丈夫です。本人のペースに任せましょう。もちろん本人がやる気になり、数ページ進んだ時は、「凄いね!」「今日調子いいね」と頑張りを認めてあげて下さいね。
わが家は、完全不登校になってから1年半は全く勉強しませんでした。少しずつやらせようと思うようになったのは、家で過ごすことに慣れて、私も子供も気持ちが落ち着いてきてからのことです。
家の手伝い
簡単なものを1つか2つ。いくつかの選択肢から選んでもらうといいです。わが家は長男はごみ捨て(まとめるのも)と炊飯(米とぎ~スイッチON)、長女は洗濯たたみをお願いしていました。
ごみ捨ては、ほぼ毎日必ず1回はドアを開けて外に出なくてはならないので、すごい勢いで行って帰ってきますが、続けていくうちにドアを開けるというブロックが外れてくるのでおすすめです。選んでくれたらラッキーです。
ちなみに長男は、お風呂掃除などやや面倒な手伝いが選択肢に入っていたので、ごみ捨てが一番楽そうだと思ったそうです。臭いに敏感な長男ですが、自分で選んだことで頑張った結果、青果店でのアルバイトでの生ごみの片づけをもこなすことができるようになりました。
ただ、これも今できなくても大丈夫です。定着しないものは、今はその時ではないのだと考えてあっさりとやめることが大事です。今は無理でも、許容範囲になり定着する時が必ず来るので、忘れた頃にまた声を掛けてみて下さい。
やめたこと・やってみてうまくいかなかったこと
時間割(一日の計画表)を作り計画的に過ごす
一日の過ごし方を親が管理することは、学校に行くのと同じです。心と体を休ませ回復するために、学校(外)に行かないことを本人が選んでいるのに、家で学校のように管理をしていては心が休まらず疲れてしまうので、効果がありません。最低限の学習とお手伝い(できてなくても大丈夫です)以外は自由にさせておきます。
過度にほめる事
「○○できて偉いね」「お母さん嬉しい」と成果を褒めたり喜びをあらわにするのは、時にプレッシャーとなり、いつもできないとダメなんだ、お母さんを喜ばせないといけないなどと思いがちです。
不登校ひきこもりは自己肯定感が低すぎる事が原因の一つであるため、親を喜ばせないといけないという思考は、親肯定自己否定に繋がり良くありません。また、子供によっては(特に年の離れた兄姉がいる場合)理想が高く、褒められても、これぐらいできて当然なのに全然できない自分は駄目な奴だからと卑下し、素直に喜べないこともあります。
地味に軽く、「良い感じだね」「順調そうだね」「やるじゃん」「頑張ったね(頑張ってるね)」「それでいいと思うよ」と、本人のペースで進んでいけている事をさらっと褒め、一緒に喜びましょう。
「よっしゃ!」「自分これでいいんだな」と思わせるような声掛けを心がける事が大事です。本当に大丈夫ですから。
お出かけ・気分転換
引きこもりが強い時期は、外出は刺激が強くストレスになってしまうので気分転換になりません。気分転換はお母さん一人で出かけることができれば一番良いです。ただ、子供が小さいと長時間は難しいのが現実です、、
気分転換の一例(ほわ子の場合)を別ページに後ほど上げたいと思います。